Date:2020.07.05
大工さん泣かせの材木
大工さん泣かせの材木
作業場に行ってみると特徴ある香りが作業場中に漂っていました。
近くに行ってみると大工さんの手作業によって大きな板から床の框に使う材料を
切り出している最中でした。
加工しているのは欅材
最近では欅の色合いがあう住宅が少なくなっている傾向なのか、なかなか出番が回ってこないまましばらく倉庫の奥にしまってあった材料でした。
欅、加工が終わり仕上がってしまうとそんなにも臭いはしませんが、加工途中は建築材木のなかでも印象的な独特の匂いがします。
そしてこの欅 一番は大工さん泣かせです。
ねじれや反りが起こりやすく暴れん坊な材料で、伐採されてからも何年も寝かせて乾燥させ落ち着いてから再度今回のように加工します。
仕上がった美しい木目はとても綺麗でが重たく硬ーいこの材料はとても大工さん泣かせのひとつですね。
関東地方は立派な欅が多い地域でもあるんです。
東京都付中市の大國魂神社や表参道の並木などは名所として知られいますが、立派な欅が多いのは理由もあるようです。
徳川幕府がその植栽を推奨したことにちなむと言われ、た江戸時代には橋げたや船などに使われ、住宅に限っては欅のある家は格式が高いとされた。なんてお話も一度はお聞きしたことありませんか?
京都の清水寺を始めとし名だたる神社仏閣の柱などに使われていたことも関係するのかもしれません。
【清水の舞台を支えているのは欅の柱になります。】
耐久性や耐湿性も高い材木なのでそのあたりも選択された理由のひとつなのではないでしょうか。
丈夫だけではなく、玉杢や牡丹杢と呼ばれる模様の入った欅は特に高価なものとなり、お盆やお椀といった伝統工芸品のにも使われていたのも特徴のひとつです。
玉杢は縁起が良いものともされ、相撲部屋の看板には玉杢を勝ち星に見立てて重宝されているようです。
また、老舗の看板などに大きな欅の板で作られているのを見たことありませんか?
これは欅がとても重い木材なので、一度看板を上げたら下ろさないという意味も込めて縁起を担いでいるそうです。
欅は空に向かって扇方に広がり、下枝が少ない為に人が集まる場所などは木陰を作る木としても重宝されております。 通常は樹高25mで直径2mくらいですが、大きな木では樹高30mで直径5mにもなるそうです。
欅 じつはずっと昔、古代においては強い木を意味する 槻(つき)と呼ばれていて
16世紀頃から欅と表記されるようになったようです。
欅は【けやけき木】ニレ科の広葉樹で、他の杢より一際目立って樹形が端整であること、そして木目が美しいことを意味するそうです。
いまなら大工さん泣かせのとっても良い欅の框がありますので、和風の住宅などご検討されているさいはご相談してみてください。
隣には欅の大黒柱もありましたね。