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Date:2020.11.01
大工さんの技術
こんにちは薄井工務店の丸山です。
普段は壁に隠れて見えなくなっしまう継ぎ手のご紹介したいと思います。
「300年育ってできた木材を使うなら、300年は建物として生かしてあげなければ」そんな大工さんの思いから生まれたのが『仕口』と『継ぎ手』と言われています。
この技は日本の大工さんの特徴で、くぎを使わずに、木と木をパズルのようにつなぎ合わせる技術です。 縦と横の木をつなぎ合わせるのが「仕口」。縦同士で1本の長い木材にするのが「継ぎ手」です。
使わなくなった短い木材を継ぎ足して、また何年も建物の材料として再利用する、日本の伝統的なエコな考えです。継ぎ手には大工さんの愛が詰まっています。
もう少し詳しく分けますと
継手
部材を流さ方向に接続する接合部、木構造においては、継手は最大の弱点にもなる部分でもあります。したがって、継手が平面的にも立体的にも1カ所に集中することは、構造物の耐力が低下する原因にもなります。
そのことから継手の位置は乱に、つまり『千鳥』に配置するよう心がけております。また、種類もあり、その場の状況に合わせ様々な種類が用いられます。
仕口
二以上の部材が直角、あるいはある角度をなして結合される場合、その結合部分
仕口の一種にほぞ差し工法がある。これは、柱または横架材にほぞ穴をつけこれにほぞ加工した材を差し込み、くさび締め、くぎ、こみ栓などによって結合する方法です。
薄井工務店では大工さんに加工して頂いた実物がいつでも見れるようになっております。
その技術いつ頃からあるのでしょうか?
なかなかいつからと明確にかかれたものはないようですね。
古くは飛鳥時代に朝鮮半島から僧侶を招き飛鳥寺を建立したのが古文書には残っているそうです。この頃伝わって来たのではないか?
聖徳太子が法隆寺を建立したのもこの僧侶から教えを請い建造物を残したと言われているようです。
飛鳥寺は、奈良県にある日本最古の本格的寺院です。
6世紀末頃建てられたと書かれております。
余談になりますが、
このころから続く日本の建設会社が578年創業で世界最古の企業になっています。
継手の約束事
継手には「男木(オス)」と「女木(メス)」があります。
「女木」は「元口」に加工をします。(※元口とは木の根っこ側の事。)
「元口」は木の先っぽ(末口)に比べ密度が高いのでより抜けにくく丈夫になる
住宅ではこちらの継ぎ手までアハの仕事の中では使わないですが、変わった継ぎ手もありますのでご紹介したいと思います。
2本の木材を3方向に自由自在に繋ぐことができる「河合継手」
木材を直線に繋ぐことも直角に繋ぐことも出来るほか、直角では角度を変えて繋ぐことができます。一度繋ぐと、一定の方向に力を掛けないと外れません。
(河合直人教授が東京大学の学生時代に課題として提出したもの)
強度が高く難度も高い「四方鎌継ぎ (しほうかまつぎ)」と呼ばれる継ぎ手
四面同じ柄になる組み手です
建築現場に行くことがありましたら是非実際の『継ぎ手と仕口』を見てください。