北側のロケーションを最優先に設計した 季節の移り変わりを愉しむ窓辺が自慢の家。
-
残念ながらこの日、奥様は外出中でした。吹き抜けのリビングで。
-
2階リビングから窓の外を望む。現在は子どもたちの特等席に。
-
ダイニング&キッチンはガレージの上に位置するため、リビングより少し下がったスキップフロアに。
-
2階リビングへ続く階段のアイアン手すり。洒落たデザインが空間のアクセントに。
-
右側が増築部分。書斎と寝室を増やした。南仏のイメージでレストランのような外観に。
-
木・鉄・ガラスの素材感がポイントの玄関扉。時を経るごとに風格を増す。
当初は住宅メーカーなどいろいろな選択肢を検討しましたが、自分たちの思いを具現化するには、顔が見える関係の地元工務店がベストだと思いました。
家を建てる際、一般的には南側の景観が重要視されますが、ご主人は分譲地北側に開けた自然豊かな景観を見たとき、ここに家を建てることを決意したそうです。「木々の鬱蒼とした緑と、広く青々とした空のコントラストが印象的で、直感的に『ここに住みたい』と思いました。 リビングに居ながらにして四季折々の移り変わりを感じることができる、何とも贅沢な家だと思っています」
ご夫婦の思いを具体的なプランに落とし込んでいく際、かつて大手住宅メーカーに勤務していた奥様の知識と経験が役立ったそうです。にもかかわらず地元工務店に設計を依頼した理由を尋ねてみると……。
無垢材や珪藻土など自然素材に関する知識が豊富で、“わがまま”な注文にも応えてくれる技術力・設計力・応用力が決め手ですね」とご主人は話します。生活の中心となるリビングやキッチンのほか、水回りはすべて2階に。白いタイルと無垢材のオリジナルキッチンのほか、浴室は北側の景観が望める総タイル貼りです。玄関扉・室内扉とも無垢材を使い、階段のアイアン手すりは現場で加工されたもの。ご夫婦のこだわりは細部まで及び、家づくりに対する思いの深さをうかがい知ることができます。
さて、建築当初はご夫婦2人だけでしたが、2人のお子さんが生まれS邸もにぎやかに。平成21年、かねてよりプランに盛り込んでいた増築を行いました。「私たち夫婦は『家族構成の変化に対応できる住まいを』と考えていました。最初から大きな家を建てるのではなく、必要に応じて増築していくやり方を選びました。その際、小回りの利く地元工務店の存在が大変ありがたかったですね。」